辺境のカンガルーの近況
おさかな賛歌
魚が美味しいというのはですね、
相当な幸せだと思うわけです。
特に刺身ってあれ、一体なんなんでしょうか。
生の切り身が美味いってえらいことですよ。
別に魚だって我々に食べられるために、
泳ぎまくって身をシュッとさせてるわけじゃないんです。
しかしなんなんですか、あの洗練された美味しさは。
生身が美味って、あんた、それは種としての危機を感じないのか。
しかもなんですか、醤油とワサビとのその抜群の相性。
生きてる時は醤油もワサビも見たことなかったでしょうに。
季節ごとに美味しさの方向性変えちゃったりとかねぇ。
ああ、もう、あかん。完全に食べられるために出来とる。
もはや、憤りを感じてきました、魚たちに。
君たちは、私たちに食べられるために生まれてきたんじゃないはずだ。
しかし食べちゃうわけですよ、君たちを。
今日も今日とて。喜々として。罪深き私たち。
ごちそうさまでした。大変満足でした。
生前の内田裕也氏なら言うでしょう。ロックンロール。
という感じに美味しい魚をいただいてきました。
ほんと、罪深いですよね、私たち。たまりませんねぇ。