松尾画報

辺境のカンガルーの近況

スパゲティかパスタか

いつからでしょうか、「スパゲティ」のことを「パスタ」と呼ぶようになったのは。

ご存知の方も多いかと思いますが、スパゲティはパスタの一種です。

麺類の総称みたいな感じでしょうか、パスタというイタリア語は。

細長いスパゲティ、平たいパッパルデッレ、極細のカペリーニ、板状のラザニア、ペンみたいな形のペンネ。

いろいろ種類がありますけど、全部パスタですね。

 

 

 

でも、ここ10年くらいだと思うんですけど、スパゲティはかなり高確率でパスタと呼ばれるようになった気がします。

飲食店のメニューや看板なんかは、ほとんどスパゲティ表記ではなく、パスタ表記じゃないでしょうか。

「クリームソースのペンネ」とかがメニューに混じっていれば、ひとまとめにパスタ表記でいいんでしょうけどね。

でも、スパゲティオンリーのラインナップでも「パスタメニュー」と書かれている場合が大半です。

 

 

 

なんでこんなことになったか、私が思う答えはですね。

「なんてったって言葉の響きがいい」からでしょうねぇ、パスタは。

ぱっと軽快で楽しげな半濁音から始まりますし。

シンプルでブロック感のある3文字単語ですし。

母音が「 a u a 」で発音しやすいですし。

なんだか字面も可愛いでしょ。パスタ。

 

 

 

スポーツ選手はアスリート、ミュージシャンはアーティスト、昼ごはんはランチ、ズボンはパンツ。

これらの言葉も、言い回しが少し変わって定着していると思います。

でも日本語ってそういうものなんですよね、意外と。

有名なエピソードですけど、「新しい」も古くは「あらたしい」と読んだそうです。

「気分を新たに」の新たは変音前に準じて「あらた」と読みますもんね。

時代に応じて変わっていくって、なんというか、純粋に面白いですね。

 

 

 

個人的には「スパゲティ」っていう単語も好きなんですけどね。

喫茶店の安っぽい(失礼)けど妙に濃いミートソースや、昔懐かしのナポリタンを思い浮かべます。

最高ですよね、あの味。

ああ、明日の昼ごはんは、おいしいトマトソースのパスタ食べに行きたくなってきたなぁ。

あっっっ、つい「パスタ」って言っちゃった。