松尾画報

辺境のカンガルーの近況

大人な対応

「言葉がふっと降りてきたんですよ」

 

コピーライターさんの書籍なんかで、こういう表現がありますが。

私個人的には、これ、すごくもやもやする表現です。

 

 

 

 

私自身も、コピーライターとしての案件を受けることが年数回ありますが、

ふと思いついた響きの言葉やコピーって、会議ではほぼ通りません。

そこに至るまでのプロセスが、きっちり説明できないんですよね。

 

あれって、その言葉に至るまでに、

「この言葉はなぜダメか、これこれこういう理由だ。じゃあこっちの言葉は?」

という追い込みをかけていくんですね。

 

そうやって使える言葉の領域が掴めている上で「降りてくる」ものはいいんですけど、

そうでない状態から思いついた言葉は、使える言葉の領域を無視したただの思いつきです。

もちろん、コピーにもいろんな書き方があるので、これはほんの一例だと思いますが。

 

 

 

 

ただ、そんなのいちいち説明するのもおっくうですし、実際の現場では

「いいね~そのコピー、ハシモトくん降りてきたね~」

みたいな空気になったら、もう”降りてきた”ことにしています。

「ははは、たまたまですよ、たまたま運が良かっただけです」

ということにしておくのが、一番みんなが理解しやすくてハッピーな状況です。

 

そこで「説明しますよ!そこに至るまでの過程を全部!」

なんてはじめると、みんな終電に間に合わなくなっちゃいますもんね。

私のエゴによって、みんなアンハッピーな状況になります。

 

 

 

 

写真撮るときにカメラマンが「いいね~!いいね~!」と言うのも同じイメージですね。

言いたくて言うわけではないけど、その場でそれが求められる空気ならもう言っちゃった方がいいと、私個人的には思います。

言ったら結果的にいい感じの空気になるわけですから、そういう意味では「いいね~!いいね~!」です、確かに。

 

「(これで仕事がさくっと終ってかつみんなが満足ならそれはとっても)いいね~!いいね~!」

 

という気持ちで言う感じですね。

もちろん状況にもよりますし、反対意見もあるでしょうけど。

チームプレイですしね、なんといっても。

 

 

 

 

先日、気が置けない昔の仲間と飲んでるときに、そういう話になりました。

20代の頃はそんなことばっかり言いながら飲んでたなー、懐かしいなー、楽しかったなー。

というお話しでした。