松尾の独り言
大和消化器疾患勉強会
松尾です
第1回大和消化器疾患勉強会に参加して来ました。これまで炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)を中心に北和消化器疾患勉強会と称して過去に6回行われていますが、今回から疾患規模を拡げて名前を変えて開催されていくそうです。近大奈良病院内視鏡部の水野教授、奈良医大第3内科の守屋講師、生駒の増田先生と阿部先生、平群の橋本先生、学園前の辻本先生など奈良県の内視鏡医の主たるメンバーが一同に会する、かなりコアな勉強会です。辻本先生が当番世話人となり、非常に濃厚な時間を過ごすことが出来ました。
先ず、王寺のまつおかクリニックの松岡正樹先生がCTコロノスコピー(CTを使った大腸の検査)について御講演されました。CTコロノスコピー自体は大腸の検査法の1つとして15年以上前から提唱されていますが、前処置の方法にコツと経験が必要であるそうです。当院でも画像診断クリニック様にCTがあるので、開院時に検討しました。しかし、患者様と画像診断クリニック様への負担を考えると現時点では予定していません。
この松岡先生、毎日100人以上の外来患者様を診察しつつ、10件以上の内視鏡検査をされているそうです。どうやったらそんなハードな医療が出来るのか、非常に要領の良い先生ですね。その傍ら、サッカーの奈良クラブのスポンサーをされており、御自身のクリニックにも選手を雇用しておられます。
症例検討として、増田先生の司会で奈良医大第3内科の井上雄太先生に非常に珍しいリンパ腫について御紹介頂きました。守屋先生も熱心に御指導されており、論文になれば嬉しいです。
そして、特別講演では大阪大学消化器内科講師の新崎信一郎先生の講義を受けることが出来ました。新崎先生は辻本先生の中学校の後輩であるそうです。日本で増加し続けている潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患の診療と研究の最前線のお話しでした。新崎先生によると炎症性腸疾患は、今後、インドや東南アジア、中国で爆発的に増加することが予測されているそうです。現在、その治療法はほぼ確立されていますが、この数年内に新しい治療薬が多数認可される予定であるそうです。