松尾画報

辺境のカンガルーの近況

小さな洋食店

前回の「ブランディング」に少しだけ関連して。

 

看板などの屋外広告物を作るときに、

「説明するんじゃなくて、想像できるようにしてあげる」

ことが大事になってくるケースがあります。

 

 

例えば、外から中が見えにくい飲食店って、なかなか入りにくいですよね。

(見えないから逆に入ってみたいという心理もありますが、今はそれは置いておきましょう)

そういう場合は、商品写真を屋外ディスプレイで見せることが多いんですが、

これが意外と効果が出ないときがあります。

 

 

道行く人に与えたいのは、お店の情報ではなく、お店への期待感。

たしかにメニューや価格を分かりやすく伝えることも大事なんですが、

飲食店に行くときって「おいしいものを食べたい」だけじゃなくて、

「おいしいものを食べて、素敵な時間を過ごしたい、満足感を得たい」

という気持ちが根底にあるはずなんですよね。

それならまずなにより「この店入りたい!」って強く思ってもらう必要があるんじゃないか、と。

 

 

先日、小さな洋食店から「看板やポスターをたくさん作ってくれ」という依頼を受けたんですが、

ポスターは作らずに、ガラスにペタペタ貼っていた店長の手作りポスターを逆に剥がしました。

いい内装のお店だったので、料理写真たくさんより店内を見せた方がいいんじゃないかと思って。

すぐに効果が出るようなものでもないんですが、

数年後には「いい提案してもらった」と言ってもらえるんじゃないかなぁ、と思っています。

 

 

物理的にも心理的にも、ほんのわずかな障害をいかに取り除くか。

「イメージ」って目に見えないけど、大事だなぁ、なんて思います。

 

 

 

 

まぁ、仕事としては、あんまり利益出ませんでしたけどね…。

ポスターたくさん作った方が、もちろん利益はたくさん出たわけで。

んー、いつか、ポスターをたくさん貼りたくなる2号店を出していただければと思います。