松尾画報

お薬と病気について

第一回 お薬の用法と意味

第1回 お薬の用法と意味

 

お薬の用法にはいろんな種類があります。またその用法通りに飲むことにはそれぞれ意味があります。代表的な用法とその意味についてお話ししていきたいと思います。

 

★食後★

食事が終わってから20~30分後のことです。この時間にはまだ食べたものが胃の中に残っているので胃への刺激が少なくなります。食べ物と一緒になることで吸収が良くなる薬や空腹時だと胃を荒らしやすい薬などが当てはまります。また食後服用は飲み忘れをしにくいので多くの薬が食後服用です。

 

★食前★

食事の20~30分前のことです。インスリンの分泌を促して血糖値を下げる薬や消化器の働きを良くして吐き気を抑える薬、胃酸の分泌を促して食欲を出させる薬に多い用法です。

 

★食直前★

食事の直前、5~10分前のことです。糖の吸収を抑えることによって血糖値を下げる薬に多い用法です。

 

★食間★

食事と食事の間のことで、食事のあと約2時間後に服用します。漢方薬など空腹時の方が吸収が良い薬に多い用法です。食事の最中に飲むと勘違いされることがあるようですがそうではありません。

 

★眠前★

寝る約30分前のことです。寝つきをよくする薬や翌朝お通じがすっきりするように便秘に使う薬などがあります。寝つきをよくする薬の場合、効果があらわれてきてふらつきなどが出ると危ないので服用したらお布団に入るイメージで服用するのが良いと思われます。

 

★起床時★

朝起きてすぐ、朝食を食べる前に服用するということです。骨を丈夫にする薬などがあります。

 

★頓服★

食事の時間に関係なく必要な時に服用するということです。発熱時、疼痛時、便秘時などがあります。

 

以上のようにそれぞれのお薬にあった用法を守って服用することで、お薬の持つ本来の効果を得やすくなります。お薬は用法をしっかり守って服用するようにしてくださいね。

まつお内科でも個々の患者様に応じて薬の効果を意識した処方を行っています。

 

次回はお薬と食べ物、飲み物、サプリメントなどとの飲み合わせについてお話します。