辺境のカンガルーの近況
美をつくる
ついでですから、もうひとつ、夜の街にまつわる話を。
前回も話しましたが、以前勤めていた会社では、
夜の商売の販促物をいろいろ作っていました。
その中の思い出深い仕事のひとつに、
キャストさんの顔の加工修正作業というものがあります。
最近はスマホアプリでお手軽にできるものもありますが、
こう言っちゃなんですが、私たちが行うのはガチの作業です。
聞いたことあるでしょうか、photoshopというソフトをフル活用します。
これがなかなかに楽しいんです。
元の顔の写真の上に、レイヤーという画像の層を重ねて作っていきます。
第1のレイヤーは、まず肌の出来物や目立つ毛穴を肌色で塗りつぶします。
第2のレイヤーは、その子の基準となる肌色を作って顔全体を薄く塗り、
第3のレイヤーは、基準色より少しくすんだ色も入れて立体感をつけ、
第4のレイヤーは、目の下に少し明るめの色を入れて印象を軽くし、
第5のレイヤーは、頬にその子の雰囲気に合うカラーでチークを入れ、
第6のレイヤーは、あごからエラ周りに暗い色を入れて小顔効果を狙い、
第7のレイヤーは、あごのラインそのものを削って細く整えていき、
第8のレイヤーは、目を20%ほど大きくして瞳に潤いを足し、
第9のレイヤーは、唇の厚みを整え、形を整え、ツヤを出し、歯を白くし、
第10のレイヤーは、第11のレイヤーは、第12のレイヤーは………。
もはやメイクです。そんな知識なんて当然ないので、
社内の女性陣にあれこれ教わりながら作業していました。
メイクってえげつなく奥が深いですね、本当に。
なかなかに面白くて、勉強になる仕事でしたねぇ。
ま、クラブに行こうというお客さんは、大体もう結構な酔っぱらいですから、
パッと見で綺麗なおねーさんに仕上がってれば、テキトーでいいんですけどね。
せっかくなのでということで、かなり真面目にやっていました。
今思えば勤勉ですね。思い出そう、あの頃の気持ち。
もし、朝目覚めたら女性に生まれ変わってた、という不思議が私に起こったら、
バッキバキで盛っり盛りのギャルメイクしようと思います。
源氏名はハシモトと言えばやっぱり聖子…、あ、いや、環奈にしようかな。
ご指名お願いいたしますね。フルーツ盛り合わせ食べちゃうぜ。