辺境のカンガルーの近況
適切な温度
皆様、こんにちは。広告業のハシモトでございます。
第2回目なものですから、ここはひとつ広告業っぽいお話でもしましょうか。
すっごい今更感ありますけど、昨年に大流行したピコ太郎さんの「PPAP」のお話でも。
PPAPって何?っていう方は、まずはこちらの公式動画をどうぞ。
日本どころか世界中で流行ったこの動画。
この動画の何が面白いのかは、いろんなところでいろんな識者が語っています。
もう一回見たくなる短さ、実物を持たずにパントマイムで想像させる、いかつい顔とポップな音のギャップ、など。
ざっと検索しただけでもいろんなWeb記事が出るので、興味がある方は見てみて下さい。
それはもう、私ごときが語る必要なんてないくらいいろんな意見があります。
まあそうは言っても、私なりの意見をひとつだけ。
私は「冒頭のダンスがちょうどいいテンションで踊ってるなぁ」と思いました。
このダンス、たしかに真似しやすいとかそういう魅力もあると思うんですが、
なによりも「やりすぎてない感」がいいんじゃないかなぁ、と思います。
この動きがもう少しオーバーアクションだと「笑わそうとしている感」が出ると思うんですよね。
「ほらここ笑うところですよ!馬鹿やってますよ!必死にふざけてますよ!」っていう雰囲気。
そうなると観客と演者の間に壁・温度差のようなものができて、観客が一歩引いちゃうんですよね。
笑わせにきていると感じると、面白いか面白くないかという批評の目になっちゃう。
でも無防備に見てもらえれば、何が起こるんだろうという好奇の目が向けられる。
視聴者との距離感がうまく保てているような気がしました、この冒頭のダンス。
鼻につかずに「ふーん、なんか分からんけど楽しそう」と思わせたのがよかったんじゃないかなぁと。
押し付けがましくない脱力系という感じでしょうか。
しかし、世界中で受けるってあらためてすごいですね。
でももうひとつ、昨年末のニュース見てて逆のことも思いました。
PPAPが大流行りで忘年会の一発芸でも大人気です、という映像。
どこかの会社が大人数で宴会場を借り切って、忘年会してるんですね。
そこに新入社員がピコ太郎コスプレで出てきて、PPAPを歌い踊る。
このときのピコ太郎役は、それはそれはハイテンションです。
もう絶叫と言って差し支えないくらいの声で歌ってるわけです。
でもこの場なら、ハイテンションでやりきるしかないんですよね。
モノマネ芸は、特徴を大袈裟に出していくか、本物に限りなく似せていくか、
大別するとどちらかのアプローチになると思うんです。
でも冷静に考えて、忘年会のモノマネで限りなく本物に近いPPAPを見せられても・・・ねぇ?
この忘年会PPAPは大袈裟な動きや歌で、観客の手拍子をあおっていくスタイルが正解なわけです。
他人へのアプローチって、その都度都度で相手にとって最適なものを選ばないといけませんね、というお話し。
私は芸人ではないので、他人を笑わせる手法について考える必要はあまりありませんが。
「なんでこれ、こんなスゴいことなってんの?」という理由をあれこれ考えてみるのは楽しいですよねぇ。
今年も誰かしらブレイクする芸人さんが出るでしょうから、そんな視点で見てみるのもまた面白いかもしれませんね。
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