松尾画報

駒汚れなく道険し

金龍を彫る5

ついに藤井聡太新竜王が誕生しました!第34期竜王戦七番勝負、藤井聡太当時三冠がストレートで豊島将之前竜王を下し見事に載冠、同時に史上初の10代四冠保持者にもなりました。当日もその翌日もニュースで記者会見の映像が流れるなど大盛り上がりでしたね。

やっぱり本当に強い。今回は2日目が土曜だったのでABEMAの生実況を見てましたが、豊島先生の積極的な仕掛けや難解な局面も冷静に対処し、しっかり受け切ったところで切れ味鋭い反撃を展開。途中まで戦況を表すAIも途中まで接戦を示していましたが最終盤に藤井先生の方に大きく振れ、その後もAIが示す最善手を外す事なく差し切られました。あの若さであの落ち着き、プレッシャーや迷い、不安などは無いんでしょうか。ものすごい10代です。この後今年度は王将戦も残っているので五冠の可能性があります。目が離せません。
対して豊島前竜王。間違いなく現役棋士の中でもトップレベルで強いんです。それだけに今回のストレート負け、そして無冠になる事はショックでしょう。対局の後に振り返る感想戦でもかなり落ち込んでいる様に見えました。でも豊島先生も深い研究を得意とする棋士なので、絶対にここから立ち直って一層強くなると思います。頑張れ、豊島先生!

さて。彫り上がった金龍1セットに漆を入れ、磨きを加えて仕上げました。

今回は仕上の段階で大失敗を発見しました。。桂馬と香車の字母紙を初めてスプレーのりで貼ってみたのですがこれが予想外に粘着が取れず、字母紙と共にこびり付いた粘着を取るのに耐水ペーパーや目の荒いタオルなどで何度も何度もゴシゴシと擦り磨き。おかげで駒に変なシミができるし漆も剥がれておかしくなるし、もう散々でした。やっぱり新しい事を組み入れる時はもっと慎重になって試してからにしないといけませんね。反省しきりです。

兎にも角にもこの駒一式を天堂の師匠のところに送ってご指導頂きます。失敗に凹んでいるのでワクワクはありませんが、とにかくありのままを見て頂くしかありません。ふう。