松尾の独り言
対策型胃内視鏡検診
松尾です。
何だか難しそうですが、本質は本当に難しく、また非常に大切です。
対策型胃内視鏡検診とは、簡単に言うと住民検診で行う胃がん検診を胃カメラで受けれるようになるということです。
厚生労働省は昨年4月に内視鏡による胃がん検診を選択できるように正式決定し、奈良県も今年の4月から導入することになりました。
実施主体は各都道府県であり、これまでも他府県では独自の基準で行われていました。
正直、施設基準、内視鏡の消毒方法、精度管理など大雑把であることは否めません。
3月の最終の日曜日、胃がん検診従事者研修会の一環として、奈良県における対策型胃内視鏡検診の実施とその精度管理と題して説明会が行われ、参加して来ました。
講師は、奈良県健康づくりセンター検診部長の赤羽たけみ先生です。
この、たけみ先生、実は私の大学時代の同級生で、彼女の優秀さ故に重責を任されているようです。
先日電話でお話しした時も、「本当に大変なんやわ松尾君。でも、厚労省や関連学会のガイドラインに則り、また精度管理を徹底し、奈良県の内視鏡による胃がん検診を質の高いものにするために頑張る」と言っておられました。
当日の朝、会場の入り口でお会いした時も、「スライド作るのに、昨日の深夜までかかってん」と大変そうでした。
確かに奈良県は、ガイドラインで定められた洗浄方法を行っている施設しか認められておらず、精度管理のため内視鏡専門医によるダブルチェックを必須とされ、内視鏡施行医も年間100件以上の内視鏡を行っていることなど、細かな要件を求められています。
うちは、洗浄はもちろん、奥田先生も私も専門医であり、その10倍程の検査数は以前から普通であり、ダブルチェックも確実に行えます。
しかし、内視鏡専門医でなかったり、医師1人の施設では、個人名をID化して画像を二次読影医のところに持ち出すか、できれば画像を持ち出さず、自施設に内視鏡専門医を呼んでダブルチェックを行うのが望ましいなど、ややこしそうです。
しかし、奈良県の対策型内視鏡検診はかなり質の高いものになりそうで、レントゲンによる胃がん検診と比べ、20倍近い胃がんの発見率があるとのデータもあり、スムーズに機能するようになれば、かなりの効果が期待できるようになると思います。
これからですが。