松尾画報

花と生き物係

すずめ

昨日、野生の小鳥たちに餌をあたえているバスコートで、次男が、小さなすずめが横たわって動かないのを見つけました。
このままでは、カラスの格好の餌食となるのことは間違いなく、全身に無数のアリもたかっていたそうです。
17才にもなり、昆虫を怖がったり、ろくに勉強をしない頼りない次男が、手袋を要求し、震える手で救い上げ、何度も何度もアリを吹き飛ばすために息を吹きかけていました。
その勇気と亡くなりながら無数のアリに集られていくすずめを放っておけない優しさが嬉しく、小さな柩を用意して、玄関内に寝かせました。
玄関は紫陽花の花の匂いでいっぱいになりました。
夜、主人が帰宅して、次男と二人で庭の一角にお墓を掘っていました。
思えば、長男も高校時代に出席を犠牲にして、道ばたで亡くなっている狸をかばっていたことがあります。
小さな生命に対する無償の自己犠牲のDNAは、知らないうちに家族の中で受け継がれていることを実感しました。