松尾の独り言
女性の力
お正月休みを利用し、美味しいものを食べてリフレッシュすることを名目にソウルにやって来ました。
大型連休の際は関空の駐車場が混雑するので、インターネットを使って2日前から混雑状況をモニタリングし、大丈夫と判断してギリギリに出かけました。
しかし、甘かったです。今年は、お正月明けすぐに連休があるために様子が違っていました。第1から第4駐車場まで満車の列ができており、バスでの移動が必要なほど離れている、LCCが発着する第2ターミナル前に拡がる第5駐車場と称する広大な敷地に行くしかありませんでした。
ヤバい、急がないと空港中にアナウンスが流るかも知れないと思いつつ、手続きをしようとアシアナ航空があるはずのCカウンターに到着しました。
ところが何だかひっそりとしています。照明が落とされ、人影もまばらで、ロープが張られ近づくこともできませんでした。
ロープをくぐり抜け、スタッフの方に尋ねると、私が乗る予定の「○○便の搭乗手続きは終了しています。諦めて頂くしかないです。」と予想外に冷静なお返事であり、一瞬、現実を受け止めることができませんでした。
私が固まっているうちに、普段、私の判断に全て任せている妻がカウンターのスタッフに「何とかして頂けないでしょうか。お願いします。」と真剣に頼んでいます。その勢いに推されてか、カウンターの方も周囲のスタッフを集めながら手際よく最小限の手続きをこなしたと思いきや、「私が同行しますので着いてきて下さい」と走り出しました。そこそこ高いヒールの靴を履いておられますが、お年の違いか、カウンター嬢の足が速いことと言ったら表現のしようが無いほどでした。彼女も引き受けた以上、飛行機の運行に支障を来さず、且つ、私達を確実に間に合わせようとするプロフェッショナリズムを感じました。
カウンター嬢の背中を10m程先に追いながら、私自身の心臓もすごい勢いで鼓動しており、大丈夫かなと若干不安を持ちながら走りました。妻は私より多くの荷物を持って走っていますし、私の立場上、ペースダウンをお願いする選択肢はありません。
パスポート、チケットの本人確認は走りながら行い、トランシーバーで連絡しながら走ります。やり取りが少し聞こえました。「最後のお客様の確認は終了しました云々」です。
カウンター嬢様と関係者様方のご尽力と体力と精神力のおかげを持ちまして、動悸は最高潮でしたが、なに食わぬ顔で、最後の搭乗者になることができました。
搭乗手続き終了になりカウンター全体が閉鎖となると、運航予定があるために余程の理由がない限り、私を含め大抵の男性は「仕方ないです。どの席でも良いので直近のフライトを探して頂けますか。」となると思います。
しかし、女の人は凄いです。女の人だからこそ、堂々とお願いできる事柄が、確かにあります。
最近、同様に女性の本能的能力を感じたことがあります。
まつお内科の事務長は、要領の悪い院長と異なり敏腕の女性です。新年会のお店を決める際、今年は私がよくお世話になるお寿司屋さんで予定しているのですが、新入スタッフも多く規模が大きくなっており、お店に迷惑をかけるのではと案じていました。「貸切りにして頂きましょうか」と事務長が、「そんなんよう言わんわ。そら、できたら良いですが」と返事すると。数分後、「○月○日、△△△さん貸切りで決定しました。」と平然と連絡があり、恐るべし女性パワーを感じた瞬間を思い出しました。
多くの男性は、心と裏腹に、武士は食わねど高楊枝的に少々の自分自身の我慢をする傾向にあると感じます。その方の性格にもよりますが女性には、大局的な外面を意識しなくてもよいが故に発言できる能力があるように思います。男性は大きなものを動かす力が強いですが、女性は細かな気遣いに長けています。
まつお内科にも女性医師と女性臨床検査技師が加わりました。2018年がスタートしましたが、芯はブレず、より広く深みのある診療をおこなえるように思います。
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