松尾画報

辺境のカンガルーの近況

レアキャラ

もうひとつだけ、鍵紛失のお話し。
電車でカードケースを落とした日、帰りの夜、
京都の街を歩くマントマンに会ったんですよね。

普段はあまり降りない京都河原町駅から、
電車やタクシーに乗らず、ぷらぷら歩いて帰りました。
ちょっと頭冷やそうと思ってね。

そしたら、交差点で信号待ちしてたんですよ、マントマンが。
点灯させたスマホをふるふると振っています。
タクシー停めようとしてるのかな?

そのスマホも、すごくデコレーションされています。
フレームにライトが付いてるケースなのかな、たぶん。
パチンコ屋かよってくらい、ペカペカ光ってます。

驚いた顔でマントマンを見る外国人観光客。
ちらっと私の方を見た気もしたので、
私もちょっと大げさに驚いた顔しておきました。

だってね、私だって見るのは初めてだよ、マントマン。
透けるくらい薄い布を肩からふくらはぎまで揺らせて、
夜の闇にスマホをふりふり。

結局タクシーは捕まらず、青信号を歩くマントマン。
時々強い風が吹き、頭よりも高く舞い上げられるマント。
思わず、おおっ!となっちゃいますね。ナイスマント。

次の交差点で私とは違う方向に歩いていったので、
マントマンがタクシーを拾えたのかどうか、分かりませんけど。
そもそも本当にタクシー停めようとしてたのかな、あれは。

定期紛失からのマントマン。
思い起こせば、濃密な夜でした。
…別日に来てくれよ、こういう突発イベントはさ。

普段の私なら「興味深い人だ」って、
マントマンに付いていったかもしれないんですけど。
この日は心身の疲労がちょっとね…。

また会いたいです、マントマン。
夜風に揺れるマント、街灯の光が透けて、はためいて。
何者なんでしょうか。気になるなぁ。